新首相が決まりました!

新首相が決まりました!

  先日、というか先月の突然の首相退任劇の続報です。   なんだかんだで、1ヶ月以上もかかってしまいましたが、新首相がようやく決まりました。  

首相退任劇の直後から、周囲の友人の間できっと彼だろうと言われていたDr. Abiyさんが新首相に任命されたようです。   色々な課題が山積しているエチオピアでは、ありますが、彼が新たなリーダーとしてエチオピアをどういった方向に引っ張っていくのか注目が集まります。  

主だったエチオピアの課題

Dr. Abiyさんが今後直面、解決を求められる問題について少しおさらいをしつつ、今後のこの国の行く末を考察してみたいと思います。  

民族間・地域間格差による不満

前首相ハイレマリアムさんの退任の理由にもなっていた、民族間・地域間格差による不満をどのように解消していくのか、国内情勢について言えば最大の課題ですね。   周囲の友人曰く、民族間の問題に関して言えば、エチオピア国内で最大の人口を有するオロミア人のアビー新首相は、民族融和路線で成功するだろうとのことです。   一方で地域間の格差の問題はどのように解決していくのか、今後の再分配の仕組みがオロミア州により傾倒していったりするのかなどは注目ポイントですね。   首都アディスアベバを中心に急速な開発が進むエチオピアですが、首相退任劇にも繋がったアディスアベバ拡張のお話を少し振り返ってみます。 概要としては、2年ほど前に急速な開発が進むアディスアベバの土地が飽和状態になってきているのを受けて、隣接するオロミア州の土地をアディスアベバに一部割譲するという議論が持ち上がった際に、土地の利権を奪われることを嫌ったオロミア人が怒り、デモなどを起こしたという事態ですね。 最大の人口を有するオロミア人ですが、これまで、中央政府で優位なポジンションは取れていなかったのですが、この事態を受けて、次第に政府に対する不満を強くぶつけていくようになった印象です。 ハイレマリアム前首相の退任の原因に繋がった反政府活動もオロミア州とオロミア州につぐ人口を有するアムハラ人の暮らすアムハラ州で多く起きていましたが、オロミア人のリーダーということで、オロミア州に暮らすオロミア人の方々は好意的に今回の新首相について受け取っているものと思われます。  

外貨問題

僕を含めたエチオピアでビジネスを行う多くの方々にとっての最大の関心事が外貨問題だと思います。 近年の急速な開発・経済発展に伴って国内消費が伸びるのとともに深刻度をます外貨問題ですが、エチオピア国内ではしばしば外貨不足が深刻な問題となっています。 輸出品目がコーヒー豆などの一次産品しかないエチオピアにとって国内消費の伸びは、ダイレクトに輸入の増加→貿易収支の悪化に繋がるのですが、最近は本当に外貨が不足しているようで、度々通貨切り下げの話が出たり、輸入する際に必要となる銀行からの企業に対する外貨の割り当てを半年以上も待っているなんて話も珍しくありません。   現状、外貨不足の解決策というの明確なものがありませんが、おそらく中国を中心に外国直接投資(FDI)の呼び込みなどで外貨の獲得をしているものと思われます。   一方で、深刻な外貨不足がある中で外国直接投資の増加路線にしっかりと舵をきっているかというと、国内産業保護の観点から手放しに外国投資を呼び込む政策を取れずにいるのが現状です。   この辺りの政策は、僕を含めて外国人ビジネスオーナーにとってはすごく重要な話ですね。 僕としては、現在の高い参入障壁をある程度は維持してもらえた方が、ありがたい部分もあったりしますが、外貨不足はなんとか解決してほしいものですね。  

なんだかんだ、頑張って前進あるのみ!

  周囲の友人の多くが期待を寄せているDr. Abiy新首相ですが、なんだかんだ難しい局面を今後どう乗り切っていくのか、民族対立、外貨問題ともに僕にも大きな影響があるお話なので、どのような舵取りが行われていくのかしっかりとフォローしていきたいと思います。   いずれにしても、エチオピアの地方部の農村に暮らす農家の方々と乳製品加工事業を成功させ、エチオピアの乳製品が世界市場を席巻する未来を創れるように精進していく、彼らとともに一歩一歩前進あるのみですね。   では、また。