日本での牧場研修について。
どうも、竹重です。
今回は、もともと銀行員だった僕が酪農家になる決意を持った経緯について少し書いていこうと思います。
酪農家になる決意
これまで、書いてきた通り、エチオピアの酪農事業に並々ならぬ意義とポテンシャルを感じている僕ですが、もともと銀行員だった僕に果たして本当に酪農家になることができるのか疑問をお持ちの方々も多いかと思います。
やはり、どんな事業を始めるにしても、やはり、しっかりとした準備というのはすごく大事ですね。
どんな道にもやはりその道のプロというのは、必ず存在していると思います。
また、どんな道のプロも当初はその道の素人だったのもまた事実だと思っています。
そんな訳で、酪農のプロを目指すべく僕も勉強を始めようと決意したわけですが、酪農事業にポテンシャルを感じた当初、コンサルタントから農家に転じた大先輩に酪農事業をやるのであれば、この人のところで勉強して来てはどうかと勧められました。
中洞牧場での研修
それが、岩手県の岩泉町にある牧場『中洞牧場』の牧場長、中洞さん。
中洞さんは、猶原恭爾博士によって提唱された山地酪農を実践する酪農家です。
エチオピアで酪農を行うに当たって、僕は当初から日本式の舎飼いの酪農よりも、オーストラリアやニュージーランドなどで行われている放牧型の酪農の方が適しているのではと思っていました。
2016年8月から中洞牧場で約2ヶ月研修をさせていただきましたが、この経験を通して、やはりこの放牧を行なっていくという考え方は確信に変わりました。
中洞さんの実践する山地酪農は、基本的に牛にまかせる酪農ということができます。
人間によって故意に乳量を増やす方法を取るのではなく、本来の牛の姿を尊重して、健康な牛に健康な牛乳を分けてもらうという発想。
これは、エチオピアの小規模農家の方々が行なっている形にとても近いなと感じていました。
技術的にも未発達な国であるがために、牛本来の姿を尊重した小規模農家さんがとても多いわけです。
実際、エチオピアの小規模農家の方々は大家族に牛数頭なんて家族構成も多く、牛を家族の1員として考えているような節があります。(もちろん、牛耕などを行なったり、牛乳を絞っていたり経済動物の一面はありますが、生活に必要不可欠な存在として)
当然、ビジネスである以上、一定の効率性を求める必要があることは認識していますが、一足飛びに舎飼いの日本的な酪農にいくというのは、エチオピアの酪農に適した気候の有効活用という観点からも、カルチャー的にもフィットしないのではと思っています。
実際、2ヶ月間の中洞牧場での研修の際にすごく感じたのが、牛をすごく好きな方々が多く、酪農の基本は牛を好きになることなのかなぁなんて個人的には感じています。
2ヶ月くらい研修して何になるのと思われてしまいそうですが、この研修を行なった2ヶ月で少なくとも、僕はすごく牛が好きになれましたし、今後も牛に関わっていこうと感じたわけです。(中洞牧場の牛が特に可愛いというのも多分にありそうですが。。)
なにをするにも大切な『好き!』という原動力
僕がアフリカにいこうと決意したのも、漠然とアフリカが好きだからというのがありましたが、酪農についてもこうして牛が好きだからという感情を抱くことができたわけですが。
もちろん、自分はこれまで、酪農について学問としても学んだ経験はないわけですが、やはり、『好きこそものの上手なれ』を信じて、日々勉強していきたいなと思っています。
また、困った際にはお世話になった中洞牧場の方々に助けを求めたり(ずうずうしくて申し訳ございません、中洞牧場のみなさま)、自分自身で勉強していくことはできますからね。
牛の命を扱う事業を始めようというのは、下手をうったら牛を殺してしまう結果にも繋がりかねないわけですが、『好き』という感情を大切に大好きな『エチオピアの方々』や『牛』と一緒に稼げる仕組みを作っていこうと考えています。
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