ビジネスアイディアを固めるまで④
ビジネスアイディアを固めるまでのシリーズ第4弾は、ゲストハウスについてです。
ゲストハウスがない!
初めて、エチオピアを訪れた時にメモったビジネスアイディアメモで、ゲストハウスが少ないってのがありました。
僕は、いつも海外旅行をするときに事前にあまり情報を仕入れずに、情報も含めて現地調達しています。
理由はいくつかありますが、新興国では『Lonely Planet』などの情報が往々にして古かったり、リアルタイムの現実を反映していなかったりするからですね。
その他にも、情報収集を行う過程で人と人の繋がりを楽しみたいってのもあります。
いずれにしても、事前情報なしで大体、空港のインフォメーションとかに安くてクオリティーの高いゲストハウスを聞いたりするんですが、エチオピアに限っていうと、空港のインフォメーションでは全くこの辺りの情報を得ることができませんでした。
結果的に、とりあえず捕まえたタクシーの運転手にとにかく安いホテルに連れて行ってくれと言ったところ連れて行かれたのが、エチオピアの旧市街地『ピアッサ』にある『Taitu Hotel』、これがひどかった。
とにかくボロボロのホテルで、びっくりしました。
まぁ安いホテルとオーダーしたので、しょうがないかって感じでしたが、通された部屋がまぁ想像を超えるくらいひどかったです。
まず、床に謎の水溜りが。
ここまでは、なんか気味が悪いですが、まぁまぁしょうがない。
しかしですね、謎の水溜りだけでなくなぜか使用済みのコンドームが落ちているんですよ。
これには流石に勘弁してくれと、ちゃんとルームクリーニングが終わっている部屋を要求しました。
実際このTaitu Hotelはバックパッカーの間ではちょっと名の通ったホテルなんですが、このクオリティーのホテルにバックパッカーが泊まっている事実からも、いかに安いゲストハウスがないかって伺いしれますよね。
[aside type=”normal”]余談になりますが、Taitu Hotelはエチオピアで最初にできたホテルで、かつては、エチピア最後の皇帝であるハイレ・セラシィも利用していたほど、きちんとしたホテルだったみたいです。[/aside]
これは、ゲストハウス需要あるぞ!?
そんなこんなで、エチオピアでゲストハウス需要あるんじゃねなんて思っていたわけですが、実際にエチオピアの宿泊施設は星付きのちゃんとしたホテルが価格帯として一泊1万円〜、安宿(現地人向け)が一泊750円〜って感じでその間がほぼない状態でした。
民泊が流行りだしていた時期でしたが、Airbnbが間を少しずつ埋め始めているような状況でしたね。
これは、外国人旅行客をターゲットにすればある程度、商売になるだろうって考えていました。
実際にゲストハウスをやるかどうかは別にしても、Airbnbを活用したゲストハウスの需要を調査しながら、生活費の足しくらいにはなるだろうと思っていたわけです。
外国人観光客をターゲットにするには、例えば短期で携帯のSimカードを貸し出したり、空港からの送迎などを抱き合わせて、日本人ならではのホスピタリーティーを大いに用いて試そうって感じで考えていましたね。
実際どうだったか?
まぁこんなことを考えていたのですが、実際に退職後エチオピアを訪れて物件について情報収集をしていると、いくつか問題点が見えてきました。
思いのほか高い家賃
実は、アディスアベバでは少し前からディアスポラ(エチオピアオリジンで海外に住んでいる人)を中心に今後の値上がり期待から不動産投資が活発になっていて、不動産価格も右肩上がりなんですね。
そのため、ハウスレントも思ったより高かった。(これには後述しますが、外国人価格も影響している模様。)
アディスアベバ市内の戸建て物件とか普通に数千万円とかするんですよ。
エチオピアよりはるかに開発が進んでいるインドネシアよりも高い印象ですね。
そもそも契約ができない?
その他に問題になったのが、そもそも不動産のリース契約をするには居住許可及び納税番号がなければならないという点。
まぁ冷静に考えればそうですよね。
当時、僕は基礎調査を目的に観光ビザで入国していたので、当然居住許可も納税番号も持っていませんでした。
実際には、名義を知人に借りて借りるなど方法がないわけではないのですが、基本的にやっぱり難しいわけですね。
外国人向け価格について
新興国ではありがちな話ですが、エチオピアも例に漏れず、外国人価格と現地人価格のダブルスタンダードが蔓延しています。
不動産以外だと、タクシーの価格などにもダブルスタンダードが用いられていて、現地人も平気であんたは外国人だからいっぱいお金を払う必要があるんだ!なんて言いますからね。
不動産関係は当たれば利益も大きいのでしょうが、そもそも、ローカルのプレーヤーに対してバックヤードでのスタートになってしまうので、あまり上手くないなと感じましたね。
結論
結論として、このゲストハウスについても諦めましたが、お金を稼ぐことを考えると、実際は結構ワークするのかもしれないなと今でも思っています。
それでも、諦めたというかゲストハウスでビジネスを始めようと思わなかったのは、現地の方々に対するベネフィットの還元が薄いことが大きかったです。
観光業は『ブログを開設しました。』でも記載した通り、ポテンシャルの高いビジネスだとは思いますが、いくら質の高いゲストハウスを設置したところで、この国への観光客が爆発的に増えて、肌で感じられるほど、現地の人たちが潤う未来って見えないですよね。
次回、牧場について書きますが、牧場事業ってやっぱり地場の貧しい零細農家の方々の生活向上に直接的に繋がるなと考えています。
また、直接的に関わることのできる現地人の数もゲストハウスと比較にならないぐらい多いと思うわけです。
やっぱり、外国人としてエチオピアにお邪魔させていただいている以上、現地の方々とのWin-Winの関係を築けるかどうかは持続的に事業を続けられるかどうかという点からもすごく大事なと気づいたわけです。
まぁ、そんなこんなで、ここまで、4つのビジネスアイディアについて検証してきましたが、振り返ってみて思うことは、たった1週間の調査旅行ではその国のことを理解して、適したビジネスをチョイスするって難しいんだな、ということ。
やっぱり、何事も片手間じゃなく、実直に向き合って考えないとダメだなと心から思います。
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