ビジネスアイディアを固めるまで③
『ビジネスアイディアを固めるまで』シリーズの第3弾です。
今回は、コーヒー事業についてですね。
エチオピアの奥深いコーヒー文化
『ビジネスアイディアを固めるまで①』でも書いた通り、エチオピアと言えばコーヒーということで、当初、エチオピアのコーヒーにフェアトレードをプラスして、零細農家との事業を検討していました。
イメージしていたのはインドネシア駐在時代に知った『Dari K』という会社のモデル。
エチオピアもインドネシアと同様にコーヒーの産地として世界に知られていますが、一杯のコーヒーの価格のうち、実際に生産している農家に渡るお金ってほんの数パーセントと言われています。
なぜ、生産を行なっている農家の収入がこんなに少ないのかというと、取引を仲介しているブローカー、並びに小売店が利益のほとんどを持っていってしまってるからですね。
この辺りの仲介プロセスをすっ飛ばして、自前で消費者への直接のアクセスルートを築くことができれば、本来、農家の方々の暮らしはもっと豊かになるはずだと思ったわけです。
この着眼点、今考えてみればフェアトレードって言葉が一般的になって来ている時点で、全く新しくもなんともないし、コーヒーでこういった取り組みがされてないわけがないんですが、まだまだ、零細農家を直接訪れて交渉するなど、参入余地があるのでは、なんて思ってたんですね。
考えが甘すぎますね。
実際のところ。
まぁ、前述の通りかなり甘々な考えだったので、検証するまでもなさそうな気がしますが、エチオピアに来て、実際にコーヒーの生産地を訪問したりして検証してみました。
アラビカ種のコーヒーの原木の残る町、エチオピア南部のカッファ、この町はコーヒーの名前の由来にもなっていると言われていますす。
この町に行けばたくさんの零細農家があって事業化に繋がるはずと意気込んでいましたが、実際には、全然まとハズレでした。
大規模なプランテーション化が進むエチオピアのコーヒー産業
コーヒーの国として知られるエチオピアですが、実際にはコーヒーの栽培に適した土地というのは限られています。
で、そのコーヒーの栽培に適した土地というのは、世界の大資本やエチオピアの大富豪アラムディン市の大規模プランテーションとなっていました。
正直、エチオピアという国をなめすぎていました。
規模がデカすぎてとても個人で太刀打ちできる産業ではないことを思い知りましたね。
エチオピアのコモディティマーケットECX
その他にも、コーヒーの輸出事業を行う上で外国人にとってネックとなるのがエチオピアのコモディティーマーケットECXの存在。
このECXは、エチオピアで生産された主要なコモディティーの取引が行われるマーケットで、コーヒーはエチオピアの最重要コモディティーでもあるので、国際取引を行う際には、このECXを当然介する必要があるわけです。
つまり、農家に対して適切な対価を払おうとしても中間でこのECXを噛ませなければ行けないので、実際に農家に渡る対価を最大化することができない。
さすがは国の基幹産業、国によってしっかりコントロールされていました。
しかも、取引をしようにも1コンテナ単位の取引になってしまうので、一発の取引金額は数千万円みたいなスケール感でまぁ、とてもじゃないけど参入できませんでしたね。
結論。
やっぱり、エチオピアがいくら世界の最貧国の一国であっても、一個人で、その国の基幹産業に参入していくのは難しい。
これが結論でしたね。
すでにスポットライトの当たっている産業ではなく、新たなビジネスチャンスを小さく初めて大きく育てる。
これが、エチオピアに対する個人投資家としての適切なアプローチであることを身を以て体験する結果となりました。
[aside type=”normal”]ちなみに、コーヒーのルーツの町カッファには、コーヒー以外にもとても美味しいオーガニックハニーがありました。[/aside]
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