事件です! 信頼関係って大事だな。。

事件です! 信頼関係って大事だな。。

身近で起きた事件。。

エチオピアでの滞在中は基本的に友人の経営するゲストハウスで過ごしていますが、長らく住んでいると、オーナーの友人や周辺の人脈、同じく長期で滞在しているゲストなどと仲良くなります。

今回ご紹介したいのは、そんな友人(インド人起業家)とオーナーの友人のお話です。

便宜的にインド人起業家の友人をチャイくん、オーナーの友人をブナくんとしてご説明致します。

ある日のこと、いつも通り、夕方ゲストハウスに帰ると、なにやらざわざわしており、オーナーも焦った様子。

オーナーに話を聞いてみると、警察がやってきて、あんたのゲストハウスに暮らしているチャイくんが脱税しているといってきたそうです。

なんか悪さしたのかなと思ったら、チャイくんが数日前に、会社で使っていないポンプをブナくんを通して地元の青空市場(マルカートと呼ばれる国内最大の市場)で売ったとのこと。

で、このポンプを売った販売代金について適切な会計処理をしていなかったので、警察がやってきて脱税だと騒いだとのこと。

ここまで聞いてすでにおいおいっと思う方も多いかと思いますが、かなり胡散臭い話ですね。

 

おかしな点。

そもそも、販売して数日で警察がやってきていることがおかしいなと感じた私、チャイくんに対してもう少し詳しく話を聞いてみました。

・ポンプを売るときにはブナくんを仲介して売ったんだよね?なんで、チャイくんに直接、警察がくるわけ?

・そもそも、青空市場ではありとあらゆるものが売買されているが、しっかりと帳簿を付けているところなんかあるの?売って数日で、ブナくんの裏で品物を出しているチャイくんを見つけてくるって変でしょ?

・警察が来たって言ってたけど、脱税だと言っているのになんですぐに警察官は帰ったの?本物の警察官だったの?

 

などなど。。。

で、チャイくん。。

 

『確かに、ブナくんじゃなくて僕にくるのはやっぱりおかしいよね、ブナくんに最初いくのが筋だもんね。それにポンプ一個で逮捕なんて話には流石にならないよね。』なんて冷静さを取り戻して行きました。

で、実際に警察官として来た人について、その時対応したゲストハウスの従業員曰く。

『警察官って言ってたけど、ミリタリーのカッコをしていたよ。』

なんていうわけです。

おいおい、そのミリタリーのカッコをした警察官は誰なんだよってツッコミどころの多さに思わず笑いかける僕。

そう言えば、ブナくんのお父さんはミリタリーで結構偉いさんだなんて話が出てくるわけです。。。

[aside type=”normal”]どうやら、親父のコネを使って警察官役の人を軍関係者から引っ張って来ていたようです。[/aside]

 

うん。怪しい。。

 

ここまで聞いて、僕は、ブナくんがチャイくんをはめたのではと思いました。

チャイくんとしても、ブナくんとは日頃から仲良く酒を飲みにいくような間柄、まさか!と思ったようで俄かには信じられない様子。

でも、客観的事実からブナくんの話を聞いてみた方が良いと提案。

そもそも、ポンプを売った代金をチャイくんはブナくんから回収していないと言っていたのでチャイくんが警察に疑われる根拠は乏しいってことをお伝えし、チャイくんもブナくんと話をすることに。

で、ブナくん曰く。

『ポンプを売るときに使った中間業者が警察に捕まったんだ!で、おそらく、チャイくんが売主だってことを話したんだと思う。で、捕まってしまったから中間業者からお金は回収できていないし、ポンプは買主の方に行ってしまった。』とのこと。

ほう。。。

最もらしい話ですが、ブナくんの友人の仲介業者が捕まってるようだったら、青空市場でものを売っている多くの方々が捕まっちゃうでしょ。。。なんて思いつつ、取り敢えず怪しいから、捕まった中間業者の人に会いに行ってみたらと進めてみる僕。

ブナくん

『今、拘留中だから会えないよ。行っても無駄だ。』と焦った様子。

『本当に捕まっているのか、確認ぐらいはできるでしょ?もしくは、どういった話なのか、詳しくしる為にも、この前来た警察官を探して話をしよう。』

ブナくん

『いや、やめておこう。今警察にいったらすぐ捕まっちゃうよ。』

『捕まえるんだったら、この前捕まえればよかったじゃん。今、捕まってないんだから取り敢えず大丈夫でしょ。』

ブナくん

『今どこの警察署にいるかわからないからやっぱり行かない方がいいよ。』

『この前、会って来たっていってたじゃん、そこの警察署に行けばどこにいるのか教えてくれるでしょ。』

ブナくん

『わかった、取り敢えず僕が確認してくるから待っててくれ。』

・・・・15分後。

ブナくん

『やっぱり会うことはできないし、今どこにいるかもわからないって。』

えっ、たった15分で警察署にいって話を聞いて戻って来たの?と思う僕。。。

『早かったね、そんなに近くの警察署で捕まってるの?』

ブナくん

『あー。。。道が空いていたから・・・』

と、徐々にブナくんの浅はかなメッキが剥げてくる剥げてくる。。

オーナーも含めて、ブナくんの言い分がいかに理屈に合わないことかと白い目で見はじめているにも関わらず御構い無しでつどつどその場しのぎの苦しい言い訳が続くブナくん。

 

結果として。。

 

メッキの剥がれるブナくんに対して、冷静さを取り戻したチャイくんは、色々と理屈に合わない部分を追求していきます。

 

結果的にポンプの販売代金の一部回収をして、残りについてはブナくんが責任を持ってチャイくんに支払うというところまで、話を詰めていきました。

 

不思議なもので、こんな悪巧みをしてみたブナくんですが、お金を返しながらも再びチャイくんと仲良くやっています。

商売自体の付き合いはなくなったものの、友人としてはOKとのチャイくんの判断のようですね。

なかなか、驚きますが、こういった騙しの事件、意外と悪さをした側がバレてしまった後も悪びれた様子もなく元の関係性に戻っているケースがあります。

信頼関係という意味では、日本の文化とは異なる考え方があるのだなというのと、騙されないように気をつけないといけないなと思った事件でした。

信頼関係の醸成については、国や民族などによって結構その手法が違うようです。

日本人の場合、信頼は加算式ですが、インド人は性善説に立って信頼しているところから人間関係が始まり、痛い目をみることで減点していくパターンが多いのかもしれません。

いずれにしても、人間関係はビジネスの基本。

ここの見極めを大切にしていきたいですね!