ビジネスアイディアを固めるまで②

ビジネスアイディアを固めるまで②

前回の『ビジネスアイディアを固めるまで①』に引き続き、今回は衣類の輸入に関して、事業の実現性を検証した時の話を書きたいと思います。

なぜ衣類の輸入事業を検討したのか?

前回の『ビジネスアイディアを固めるまで①』でも書いた通り、エチオピアを初めて訪れた2015年8月。

エチオピアにきて、『意外と服装が地味だぞ、この国の人たちは!』って発見があったからなんですね。

僕もそうでしたが、一般的にアフリカ人のファッションセンスって原色のハデハデな服装というイメージがありますよね。

エチオピアのカフェにて、全体的に地味な服装の人たち

ところが、エチオピアの人たちの服装で、原色って意外と少ない、それどころか、結構地味なんですよ。

実は。

これって、日本のファッションセンスに意外と近いなーと思ったわけです。

そこで思いついたのが、日本のアパレルブランドの抱える在庫を仕入れて、エチオピアに輸入するビジネス。

日本のアパレルブランドって、毎シーズン新作を出していますよね。

では、売れ残った在庫はどこに行っているのか?

もちろん、アウトレットなどで、型落ちのものを多少安く売っていたりしますが、極端な安売りはそのブランドの価値を下げてしまうので、あまりやりませんね。

きっと、アパレルブランドの多くが、売れ残りの在庫の処分方法に悩んでいるだろうと仮説を立てました。

アパレルブランドのビジネスモデルを考えると、ブランド価値が下がる恐れがあるので、在庫をむやみに叩き売ったりできないはずなんですよ。

でも、例えばエチオピアに持って行って売りさばくっていうのなら話は違うと思うんですね。

だって、遠いアフリカのエチオピアで、そのブランドの服が流通してたって日本人は気づかないですからね。

もっといえば、世界の最貧国であるエチオピアの人たちに我々のブランドは型落ちの服を提供しているんです!なんてCSRに繋げた取り組みとしてブランドイメージを向上できるんじゃないのかぐらいに考えていました。

実際のところ。

で、以上のようなプランを旨に、本腰を入れてエチオピアにて調査しました。。

確かにエチオピア人のファッションセンスは、日本人に近い印象を受けます。

いくつか衣類関係の輸入業者を当たってみたのですが、アパレル関係は中国系の独壇場で、参入余地はあるものの、人的繋がりを構築するには、中国人人脈がほぼ必須と行った状況でした。

むしろ、エチオピア人から、日本人なんだったら自動車パーツの方がいいだろうとおすすめされる始末でした。

実際に、市場調査の一環としてエチピア最大の青空市場であるマルカートにも行きましたが、売っている製品は中国からきたものばかり、かつ安い。

外国投資による輸入業者が規制されるエチオピアでは、現地の輸入業者に利益のでるスキームを構築しないと、ものを入れるのも中々困難ですね。

すでに、日用品含め、一般消費財は中国に独占されており、価格面でも到底かなわない水準感でした。

輸入業者として事業者登録ができない以上、エチオピアに拠点をおくメリットが薄い点、また、中国資本の想像以上の浸透具合を痛感した次第です。

結果的に、、

結果的にアパレル関連の輸入事業も諦めましたが、日用品で中国資本が大活躍していることを目の当たりにするとともに、アフリカを最後のフロンティアなんて言っている日本のメディアに『すでに中国資本に食い荒らされてますよ!』って力を入れて言いたい衝動にかられました。

実際、前回書いたバイクの件と今回のアパレル関係の調査をする過程で、やっぱり中国と戦うのは難しいなと思い知らされたんですが、この辺りから、単純な金銭的なベネフィットだけでなく、いかに現地の人とうまく溶け合ってビジネスの仕組みを作っていくかと言った社会的使命感のようなものを感じるようになっていきました。

長野県の片田舎で生まれ育った僕は、やっぱり田舎で貧しい暮らしをする農家の方々に寄り添ってビジネスを展開して行きたいななんて考えるようになってきたわけです。

ちなみに、時期としては、約1年3か月ほど前の2016年5月時点でした。

では、次回は、コーヒーについてですね。